「ホワイトエデン」の生きものたち
- アオゲラ
- 学名 Picus awokera
- 全長約30cm。北海道以外の日本の森に棲んでいる、キツツキ科の日本固有種です。名前はアオゲラですが、背や翼の上側は黄緑色。額から後頭部にかけて赤いのが雄です。とがったくちばしで木をつついて中にいる虫を食べ、巣穴も自分で掘ります。
- Photo - Cory
- ニホンオオカミ
- 学名 Canis lupus hodophilax
- 田畑を荒らすイノシシなどを食べることから「大口真神」とも呼ばれ、信仰の対象にもなった日本固有種です。狂犬病の流行などにより駆除が進み、1905年に絶滅してしまいましたが、今でもときどき「まだ生きているのでは」とささやかれています。
- Photo - Katuuya
- ニホンカモシカ
- 学名 Capricornis crispus
- 日本に棲む唯一のウシ科の動物で、本州・四国・九州の山に棲む国の特別天然記念物です。もさっとした体つきですが、急な岩場や崖でも素早く動ける構造の蹄があり、動きは敏捷。ときどき、崖の上などでのんびり休む姿も見られます。
- Photo - Jdombrow
- トキ
- 学名 Nipponia nippon
- 『日本書紀』や『万葉集』にも「桃花鳥」として登場。翼の下のピンク色は「朱鷺色」とも言われます。その分布は東アジア全般に及びますが、開発や乱獲により激減し、2003年には日本産の野生種が絶滅。現在は人の手による繁殖や放鳥が進んでいます。
- カイコ(ヤママユ)
- 学名 Antheraea yamamai
- 日本固有の野生蚕で「天蚕(てんさん)」とも言われるヤママユは、江戸時代から日本全国で飼われてきました。卵で冬を越し、薄緑色の繭を作ります。繭一粒から約600~700mの絹糸が採れますが、その美しい光沢と耐久性には定評があります。
- Photo - Kulac
- ヤマネ
- 学名 Glirulus japonicus
- 大きな目が愛らしい夜行性の動物。1年のうち半年間も冬眠し、氷河時代を生き抜いてきたという説もあります。樹の枝にぶら下がったり、跳んだりするので「森の妖精」「森の忍者」と呼ばれることも。国の天然記念物で準絶滅危惧種です。
- Photo - Katuuya
- ニホンイシガメ
- 学名 Mauremys japonica
- 幼体は「銭亀(ゼニガメ)」とも呼ばれ、日本では古くから飼育されてきました。里地里山の水田や池、山奥の小川などに棲んでいます。同じような環境に棲むクサガメよりも、きれいな水や豊かな自然を好むようです。なかには20年以上長生きするものも!
- カミクラゲ
- 学名 Spirocodon saltatrix
- 早春に現れるため「春を告げるクラゲ」と呼ばれます。たくさんの触手が、髪がなびくように見えることからこの名前が付きました。光を感じる眼点は紅色で、美しい“髪”をなびかせて浮き沈みする姿はとても幻想的です。
- Photo - strollers
- アマミノクロウサギ
- 学名 Pentalagus furnessi
- 奄美大島と徳之島だけに棲む特別天然記念物で、原始的なウサギといわれています。耳や尾に加え後ろ脚も短いため、大きくジャンプすることはできませんが、大きな爪で土を掘るのは得意です。森林伐採などの影響により、絶滅危惧種に指定されています。
- Photo - Katuuya
- ミヤコマドボタル
- 学名 Lychnuris miyako
- 川のない宮古諸島だけに棲む珍しいホタル。幼虫は小型のカタツムリなどの陸貝を食べることでも知られていますが、宅地開発などの影響を受け、その生息地は急速に失われつつあります。黄緑色の光がふわふわと舞う美しい姿を、いつまでも残したいですね。
- Photo - H.Udagawa
- ギフチョウ
- 学名 Luehdorfia japonica
- 翅の縞模様がトレードマーク。桜の咲くころに羽化し、春一番に姿を現すことから「春の女神」とも呼ばれる美しい蝶です。山口県から、日本海側は秋田県まで、太平洋側は神奈川県北部あたりにまで生息する日本固有種ですが、各地で絶滅が心配されています。
- Photo - Ludorf
- オオサンショウウオ
- 学名 Andrias japonicus
- 体長1mを超えることもある世界最大級の両生類。国の特別天然記念物としても有名です。3000万年も前から、ほとんど姿を変えることなく生き抜いてきたので「生きた化石」といわれていますが、その生態はまだまだ謎に包まれています。
- Photo - OpenCage
- ツノシマクジラ
- 学名 Balaenoptera omurai
- 1998年、山口県豊浦郡豊北町の角島沖で発見され、2003年に新種と認められました。体長は12m以下で、比較的小柄だといわれています。これまで確認された個体が少ないため、はっきりとした生態や生息数は今もわかっていません。
- Photo - Lycaon.cl
- セトウチマイマイ
- 学名 Euhadra subnimbosa
- 「デンデンムシ」の愛称で、古くから日本で親しまれてきたカタツムリの一種。和名通り、瀬戸内海周辺に生息しています。樹木の上で生活し、寒くなると冬眠します。中には、殻に炎が揺らいだような「火炎彩」と呼ばれる模様があるものも。
- ヒミズ
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学名 Urotrichus talpoides
- モグラ科の動物で、太陽の下には出てこないという意味の「日見ず」という和名がついていますが、実際は、モグラとは違って地下のごく浅いところで暮らしており、地表でもかなり活動します。日本にしか棲んでいない固有種です。
- モリアオガエル
- 学名 Rhacophorus arboreus
- 森林の樹の上に棲む日本固有種です。指先には丸い吸盤があり、樹の上での生活に適応しています。水上に張り出した枝先や草などにクリーム色の泡状の卵塊を産むことでも有名。天然記念物に指定している地域もあります。
- Photo - OpenCage