生物多様性条約への提言(IUCN マクニーリー氏)
- Resisted date2016.12.30 |
- Movie Time10:30 |
皆さんは、「レッドリスト」をご存知ですか? 名前だけは聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか?以前Green TV の番組でも取り上げました。(http://www.japangreen.tv/journal/#/000364)
このレッドリストを作成しているのがIUCN(国際自然保護連合)です。
IUCNは、1948年に設立され、国家、政府機関、非政府機関が会員となり、181ヶ国からの約10,000人の科学者、専門家が集まり、世界最大の自然保護機関を構成します。生物多様性損失の危機を救い、健全な生態系の構築を目指して活動しています。
今回、そのIUCNで上席科学顧問を務めるジェフリー・A・マクニーリー氏にお話を伺いました。彼は、IUCNの科学研究分野の指揮を取ると同時に、IUCNの生物多様性プログラムの責任者として、50カ国以上の政府に生物多様性に関する戦略や行動計画の助言をしてきました。また、自然保護問題に関わる著書や編集作品も多くあります。
インタビューでは、種の絶滅が経済に与える影響、私たちが生物多様性の問題に対してできること、そして、来年10月に名古屋で開催されるCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)に向けて日本に期待することを聞いてみました。大変分かり易く、生物多様性と私たちの’つながり’について語ってくれました。
その中でも、最も印象的だったのが、彼のこのセリフです。
「われわれは今、未だかつてないほど、生物多様性との接点があると言えます。東京のスーパーに行けば、世界中からやってきた商品・サービスを目にすることができます。」
これらも全て、生物多様性です。こうした商品がスーパーに並ぶ背景には、多くの自然の消耗と搾取があるのです。私たちは一消費者として、もっと責任のある買い物を心がけ、環境に配慮した商品の購入を考えるだと彼は言います。
また、来年10月に世界の代表が名古屋に集まるCOP10は、日本にとって生物多様性について再認識する大きなチャンスだと彼も言っています。これを機に、私たち一人一人が生物多様性とは何かをしっかり認識し、我々の生活とどうつながっていくか理解することで、自分たちにできることから始めていければと思います。
都会での生活が増える中で、どんどん自然と関わりの少ないライフスタイルに移行してしまっているように感じます。しかし、私たちの生活は常に生物多様性に支えられ、持続的に維持されてきたと言えるのではないでしょうか?だからこそ、こうした自然の恵みを守っていく必要があるのです。日々の生活の中で、もっと自然と触れ合える機会を増やし、その将来を真剣に考えていきましょう。
【関連サイト】
●IUCN日本委員会HP
http://www.iucn.jp/iucnj/index.html
●IUCNマクニーリー氏のインタビュー映像(英語)
http://www.iucn.org/about/work/initiatives/futureofsustainability/interviews/?862/Mr-Jeffrey-McNeely