散居村の農家を訪ねて(富山県)
- Resisted date2017.02.17 |
- Movie Time7:19 |
今回、GreenTVスタッフは富山県南砺市へ取材に行きました。
富山というとすぐに思い浮かぶものは最近、映画「剣岳」で見た山岳信仰の土地として
印象深い場所でもあります。その富山県の南砺市には散居村と言われる美しい田園の中に家が散 らばった独特の町並みがあります。
オープニングに登場していただいた、散居村のなかで県指定文化財になっている民家に住む12代目当主の入道さんは農業を生業としています。現在の農業の後継者不足や農薬の問題など 都心で暮らす私から見るととてもゆったりとした豊かな暮らしをしているように見える農家の方々も日本各地で聞く同じような問題があると話を聞いて 少し愕然としました。
今回、富山を訪れて初めて聞いた言葉がありました。それは「土徳」。この言葉、皆さんはご存知でしょうか?
そこに暮らす人々を肉体的にも精神的にも育んでいく土地の力やその精神風土を指して、土徳=どとくと呼びます。民芸運動で有名な柳 宗悦が南砺を訪れた際に、人々の生活を眺めて言ったことが始まりだそうです。東京で鳴かず飛ばずであった版画家の棟方志功は、南砺に移住後、傑作を数多く作り上げたと言われています。これも土地の持つ力の影響なのかもしれません。その南砺と土徳について、となみ民藝協会長であり、南砺市大福寺住職である太田さんに語っていただいています。太田さんは、最後に「お流れ頂戴お相伴にあずかる」という言葉で南砺の精神風土を表現しています。それは、自分たちの収穫したものを聖なるものに授け、その聖なるものからお裾分けを頂くということ。アイヌやイヌイット、ネイティブアメリカンたち先住民たちから聞くような言葉をこの南砺の精神として聞いた事は驚きでした。日本の田舎は奥が深いです!
執筆:Green TV 桜井