ファッション産業の未来予想図 Part1
- Resisted date2010.03.19 |
- Movie Time3:00 |
ファッション産業の市場規模は年間1兆ドル。「どのような原料から何を作り、これをどう消費するか?」は地球環境にも大きな影響を与えます。ゆえに、気候変動や人口増加、資源枯渇といった課題に対し、ファッション産業も環境に優しく持続可能なものに変わっていく必要があるのです。英非営利団体「Forum for the Future」と大手アパレルメーカーのリーバイ・ストラウス社による共同プロジェクト「Fashion Futures 2025」では、2025年における持続可能なファッション産業のあるべき姿をテーマとして、研究調査に取り組んでいます。
「Techno Chic」は「Fashion Futures 2025」が描いた2025年のファッション産業に関する4つのシナリオのひとつ。このシナリオでは、2025年は環境に優しく世界全体が豊かになっているだろうという前提のもと、様々な技術革新によりファッション産業が持続可能な産業として成長していると予測しています。たとえば、技術開発により、生分解性素材や有害物質を含まない繊維など、環境負荷の低い素材が生まれ、再生・再利用を前提とした生産供給プロセスが確立。また、ネットワーク技術により、最先端のファッションは世界中の消費者に瞬時に行き渡り、いつでもどこでも同じファッションが楽しめるようになります。消費者にとっては、ファッションは「所有」するものから「使う」ものへと位置づけが変わり、より”身軽”に最先端のファッションを追うのが主流になっているだろうと、この動画では述べています。
このように、「Techno Chic」は”大量生産、大量消費”という現代ファッションのあり方を前提に、技術をテコにして持続可能な産業への転換を実現するというストーリーになっています。もちろん、産業全体を大幅に変えるための手段として技術開発はときとして必要ですが、一方で、次々と使い捨てられていく現代のファッション消費そのものを見直す必要もあるかも…。この動画をご覧いただき、「どのようなファッションが持続可能な未来につながるのか?」を、生産者・アパレル企業・小売店・消費者など、様々な立場や視点から考えてみませんか。
執筆:松岡由希子
[関連サイト]
●「Fashion Futures 2025」公式ウェブサイト(英語)
「Fashion Futures 2025」による研究レポートやシナリオ動画が紹介されています。
http://www.forumforthefuture.org/projects/fashion-futures