今回紹介するのは、一風変わった世界初のアンチ・エコの歌Energy Wasting Day（エネルギー消費デイ）のミュージックビデオです。制作、出演しているのはセレブになることを夢見ている男性、ダン・パワー氏。2009年4月１日をEnergy Wasting Day（エネルギー消費デイ）にして、エネルギーを無駄遣いする方法を歌っています。

その内容は、走りは速いけれど燃費の悪い車に乗る、断熱の機能がしっかりしていない家に住む、飛行機で遠くに旅行に行く、はるか遠くから輸送されてきた食べ物を食べる、暑くなったら冷蔵庫を開けて涼む、テレビ番組トップギアの司会者ジェレミー・クラークソンを好きになり言動を支持する（速いスポーツカーがお気に入りで、気に入らない車は破壊する人物）など。ちなみに着ているTシャツには「白クマがいなくなって、誰が気にする？（＝誰も気にしないでしょう！）」というメッセージがついており、サイトから購入することもできます。女性たちと共に繰り広げるテンポの良いダンスと高い歌声が、妙に頭に残るミュージックビデオに仕上がっています。

ただし、この歌は本気で「エネルギ−を無駄遣いしよう」と人々に伝えるのが目的ではありません。この歌の背景を伝えるtogether.comというサイトにはこのようなメッセージが載っています。

私たちの中に必ずダン・パワーのような側面はあります。それが人間というものです。4月１日の「エネルギ−消費デイ」は、みんなが自分の中のダン・パワーを認識する日にしたいと思っています。それに、このミュージックビデオを観るとなんだか癒されるのも事実。みなさんもそう感じていただければ嬉しいです。

なるほど。歌の中に、実はこんな深いメッセージが込められているんですね。ポールダンスで激しく踊り、歌うダン・パワーの姿を楽しみつつ「エネルギーを無駄遣いしたい！」という自分の姿を見つめ直してみてください。

【執筆】阿久津　美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

［関連サイト］
● Energy Wasting DayのHP（英語）
エネルギー消費デイの歌のサイトです。
http://www.energywastingday.com/

● エネルギー消費デイの背景について（英語）
エネルギー消費デイや歌に込められたメッセージの解説、省エネの方法などが載っています。
http://www.together.com/news/features/energywastingday2009