今回の番組は、スイス・ジュネーブでおこなわれたジュネーブモーターショーで発表された、様々な環境に関する試みのレポートです。3分程度の番組ですが、非常によくまとまっています。ジュネーブモーターショーは毎年3月におこなわれるヨーロッパ自動車業界にとって恒例のイベントで、多くの自動車会社が参加し、最新の車や技術を紹介します。

最初に取り上げられる話題は、今回のショーで発表された「50:50イニシアチブ」のこと。FIA（国際自動車連盟）基金の事務局長がコメントしています。このイニシアチブは世界初の環境配慮に関する構想で、2050年までに車の燃費を50％向上させるという大胆で野心的な目標を掲げています。

イニシアチブの紹介の後には、各社の先進的なエコカーの取り組みが次々に紹介されます。ボルボの担当者は「2年前から本格的に環境配慮型の車の開発を始め、良い結果が出てきています」と語り、GMの担当者は「新しいハイブリッド車では、車での通勤なら車の一生において、ガソリンは全く入れる必要がありません」とその性能の高さをアピールします。

電気自動車の開発の現状のレポートもあります。BMWの電気自動車はベルリンの道路でテスト走行がおこなわれ、リンスピード社のコンセプトカーの担当者は「今はガソリンなどの化石燃料の助けが必要ですが、5年、10年すれば電気だけで走る車が一般に普及します」とコメントを寄せています。

かつてない金融危機の打撃を受け、そのうえ深刻化する温暖化対策のために環境配慮型の車の開発を切望されている自動車業界。これを転機ととらえ、次々と技術開発を進めている姿に未来への希望を感じられます。特に、自動車好きの方、車社会の未来を知りたい方は必見の番組です。

【執筆】阿久津　美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

［関連サイト］
● ジュネーブモーターショーでの50:50イニシアチブの発表に関するニュース（日本語）
最初に紹介されている50:50イニシアチブについてのニュースです。
http://ecotech.nies.go.jp/fnews/detail.php?i=1994

● ジュネーブモーターショー2009（日本語）
2009年のジュネーブモーターショーの詳細レポートです。
http://car.jp.msn.com/motorshow/2009_geneva/

● GMが発表したハイブリッド車に関する詳細（日本語）
GMが発表したハイブリッド車「アンペラ」の性能などに関するレポートです。
http://response.jp/issue/2009/0309/article121455_1.html