世界に見る~カーボンオフセットの最前線
- Resisted date2009.07.10 |
- Movie Time4:27 |
今回は、イギリスのカーボンニュートラル社からの映像をお届けします。1997年に設立されたカーボンニュートラル社は、最近日本でも話題に上ってきた「カーボンオフセット」を主な仕事としており、この新市場におけるリーディングカンパニーとも言える存在です。こちらの解説では、「カーボンオフセット」について簡単に説明しながら、映像の紹介をしていきたいと思います。
まず、日本のメディアでも取り上げられるようになってきた「カーボンオフセット」についてご説明します。「カーボンオフセット」とは、「自分の温室効果ガス排出量のうち、どうしても削減できない量の全部又は一部を他の場所での排出削減・吸収量でオフセット(埋め合わせ)すること※」です。その「埋め合わせの方法」として、「他者が実施する温室効果ガスを削減・吸収するプロジェクトに投資すること」が挙げられます。
この「埋め合わせの方法」を世界でいち早く始めたのが今回の映像提供先であるイギリスのカーボンニュートラル社で、過去10年間で6大陸に渡り200以上のプロジェクトに携わってきました。映像では、ドイツとインドの再生可能エネルギー、ジャマイカの資源保護の各プロジェクトが、地元のプロジェクトスタッフの声と共に伝えられています。ドイツでは、温室効果ガスと言われているメタンを電気に変える投資について、インドでは、地元のベンチャー企業SELCO社の太陽光発電プロジェクトについて紹介されています。
今回の映像のプロジェクトからの大切なメッセージは、「持続可能性」ということ。インドのSELCO社の代表は「太陽光発電という持続可能なエネルギーを供給していかなければならない。それには先進国の持続可能性が不可欠だ」と伝えています。そして、ジャマイカのEco-Tec社のスタッフは「先進国の犯した間違いを私たちは繰り返してはいけない。この投資は私たちに持続可能な発展をしていくきっかけを与えてくれる」と言っています。カーボンオフセットのプロジェクトは、先進国と途上国を結びつけ、協力してひとつとなりながら持続可能な発展を探ることが出来るという、新しい可能性を生み出しています。それが、地球環境にとってベストなものとなるように、地球に暮らすみんなで新しい社会を考えていかなければいけませんね。
【執筆】green writer:植村レイラ
<関連URL>
●Carbon Neutral Company(英語)
http://www.carbonneutral.com/
●インドのSELCO社のサイト(英語)
インドで持続可能なエネルギーを提供するベンチャー企業。主に貧しい田舎で活動しています。その活動は高く評価され、これまで二度イギリスのアシュデン・アウォードを受賞しています。
http://www.selco-india.com/
●カーボンオフセットフォーラムのサイト(※)
環境省によって設立されたカーボンオフセットに関する日本の公的組織。温暖化問題やオフセットについてわかりやすくまとめられています。
http://www.j-cof.org/index.html