経済活動と生物多様性の保全~責任を持つということ
- Resisted date2008.11.07 |
- Movie Time5:04 |
今回の映像は”生物多様性”の保全を積極的に考える企業が集まったJBIB(企業と生物多様性イニシアティブ)という団体が都会の会議室でなく、アファンの森を訪れた際にgreen.tv japanが独自に取材したものです。
都内で行われる講義では有識者の講師の方を招き、討議の際も積極的に学ばれていましたが、皆さん勿論スーツ姿で、重い鞄を手にという姿で固い雰囲気・・・。
しかし、アファンの森では、”私服”かつ”作業ができる格好”ということで、手には鎌やノコギリを持ち、軍手をして森に入って作業をし、共に汗を流す。もちろん、それぞれの企業の方であることは普段と何ら変わりがないのですが、皆さん表情が違い、素顔が垣間見られた気がします。
そして、ニコルさんが創られたアファンの森。ここには、日本を愛するニコルさんの強い願い― “お金”という経済的な豊かさに走った80年代の日本。森では木々が切り倒され、川はコンクリートで固められていく。そんな日本に危機を感じると共に、豊かな森を蘇らそう―そういった強い願いが込められている森です。手を入れる前は、人も近づかなかった森に、動物たちが戻り、植物が戻り、人が戻る。絶滅が危惧されている動植物も生息が確認されるなど、その成果は現れてきています。ニコルさんからJBIBの皆さんへのお話はとても貴重な内容で、都会の会議室で聞くのとはその雰囲気もちょっと違いました。やはり、五感で感じながら聞くこと、成果を自身の目で見て感じると、腑に落ちるのではないでしょうか。
この日は、ニコルさんと共に長年アファンの森を作ってこられた松木さんと野口さんが案内をして下さいましたが、森や生きもののこと以外にも、自然と共に生きる楽しみを森の中で教えて下さいました。参加者の方々は、自然の豊かさ、人が自然の一部でありその中で”豊かに”生きることの幸せを感じられたのだと思います。そして、この豊かな森を維持していくことが、企業にとっても必要なことであると。企業活動を続ける上では、自然を守り増やしていくということも企業の責任であること。そして、何より一早く気づいた自分たちにしかできない役割もあるのだということを感じたのだと思います。
企業と生物多様性、切っても切れない関係であることに気づかれる企業人が増えることを願います。
【執筆】倉田千尋
<関連webサイト>
● 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)
http://www.jbib.org/
●C.W.ニコル アファンの森財団
http://www.afan.or.jp/