グリーンな町づくり~グリーンズ・バーグの取組み

greensburg_tiroir02.jpg今回は、アメリカ中央部に位置する「グリーンズバーグ」という町のコミュニティ全体での環境への取り組みと、そのきっかけをご紹介します。カンザス州の小さなこの町は、今やオバマ大統領も施政方針演説で取り上げるほど環境活動に全面的に取り組んでいますが、つい数年前までは、「グリーン」とは名ばかりで、環境には配慮していなかったそうです。では、この小さな町がアメリカの大統領に認められるほどの「グリーン」に、どのようにして進んでいったのでしょうか?

greensburg_tiroir01.jpgそのきっかけは、2007年5月にカンザス地方を襲った巨大な竜巻。この竜巻で、町は壊滅状態になり11人が死亡しました。映像では、その竜巻を報じるニュース番組や、ボロボロになった町の悲惨な状況が伝えられており、竜巻の破壊力の凄まじさが感じられます。しかし、ここからがこの町の人々のすごいところ。気が遠くなるような瓦礫を目の前にして、人々は集まり、話し合いを始めました。そして、この出来事を「素晴らしい機会」ととらえ、全米でも一番の「グリーン・コミュニティ」として町を再建していく決意をしたのです。多くの企業や地方当局の支援により、太陽光や地熱発電など、自然エネルギーを活かしたエコハウスや公共の建物が建てられており、「クリーンなエネルギーが、地域全体を活性化させ、雇用やビジネスの機会をもたらす」とオバマ大統領は演説で述べました。

greensburg_tiroir03.jpg特に心を打たれるのが、映像で伝えられている「政治ではなく、自然と共存しようという意識が、人々の行動を変えた」ということ。心のない政治は人を動かしません。グリーンズバーグの場合は、自然への敬意、愛、そして畏怖の念が、全米のモデルとなるような未来のグリーン・コミュニティの建設へと導いたのでしょう。自然は、時に文明をも破壊する力を持ちますが、その事実をしっかり受け止め、地球の摂理に沿って生きる決意をした時、人はきっとまた立ち上がることが出来ます。今回は、そのような人間のたくましさや強さを感じさせてくれる、アメリカの希望に溢れた小さな町からの映像をご紹介しました。今後のグリーンズバーグの取り組みに、是非注目していきましょう。

【執筆】green writer: 植村レイラ

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●グリーンズバーグのHP。最新情報がブログ形式でアップされています。(英語)
http://www.greensburggreentown.org/