自転車に乗りやすい街をつくろう!「~EUの温暖化対策」

cities_bikes01.jpg最初に質問をしたいと思います。みなさんは街で自転車に乗っていますか?「はい」という人が多いと思います。では、その街では自転車に乗りやすいですか?この問いには「いいえ」という人も多いのではないでしょうか?日本では、自転車は車道を走らなければなりませんが、車が多かったり、さらに路上駐車をしている車があったりすると、自転車が走りにくくて大変ですよね。この事情はヨーロッパの都市でも同じようです。今回の番組では、そんなヨーロッパの自転車事情とその対策が紹介しています。

cities_bikes03.jpg自転車は、燃料を使わず、排ガスを出さず、運動にもなるエコな交通手段です。そこでEUでは、ヨーロッパの多くの都市が、自転車が利用しやすい町になるように「スパイサイクルプロジェクト」というヨーロッパの都市が交流、連携して自転車普及に取り組むプロジェクトや、BYPAD計画という、自転車を普及させようという計画(100都市が加盟)を進めています。

今回紹介される事例は3つ。最初に紹介されるのは、ルーマニアの首都ブカレストの取り組み。この街では10年間で自転車の利用数が2倍に増加。でも、自転車道の整備や車のマナー向上はまだまだの状況で、大気汚染などの環境汚染も深刻な状況です。そこでブカレストの街全体でエコな町づくりに取り組もうと、有料の駐車場や自転車道を作っています。次に紹介されるのは、北イタリアの街ボンザロ。この街はすでに自転車の普及に成功。市民が自転車の良さ、自転車道の必要性などを理解するまでになっています。最後に紹介されるのはロンドン郊外にあるブロムリーでの、子どもへの自転車の乗り方指導です。サイクリストの中で最も危険な目にあう可能性が高い子どもに正しい自転車の乗り方を教えており、子供たちは自転車のマナーを身につけるだけでなく、自転車の良さを理解できるようになっている、とのことです。

cities_bikes02.jpg様々な取り組みを見ていると、ヨーロッパの都市部ではかなり本格的に自転車の普及に力をいれているのだと実感します。今後の日本の自転車普及の参考にもなるし、自転車に優しい町づくりのヒントが見えてくる番組です。自転車好きの方はぜひ見てみてください。
【執筆】阿久津 美穂(Slow Media Works)http://www.slowmediaworks.net

関連webサイト
● European Mobility Week(英語)
毎年秋におこなわれる「より持続可能な交通手段を使おう」というキャンペーン。自転車などを使おうとするヨーロッパ全体の意気込み、対策を詳しく知ることができます。
http://www.mobilityweek.eu/