バイオマス発電で蘇った村
- Resisted date2009.11.06 |
- Movie Time5:00 |
今回の番組は、バイオマス発電がインドの村の人々の生活を向上させたという、素晴しい事例の紹介です。バイオマス燃料を提供する人も、電気を使う人も両方の生活を向上させるエコな技術の成功の秘密を、5分程度で分かりやすくまとめています。
このバイオマス発電は、サラン・リニューアブル・エナジー社がガンジス川に近いビハール州のガーカという村でおこなっている取り組みです。ガーカではそれまで電力は通っているものの停電が頻繁に起こり、数日間続くこともありました。停電の対策としてディーゼル発電による電気を使う人が多かったのですが、環境汚染につながるという問題がありました。そこで、解決策としてサラン・リニューアブル・エナジー社は、ダインチャという地元の木材を主な燃料として、それをガス化することで発電する、環境配慮型のバイオマス発電所を1年半前に設立したのです。
番組ではまず、バイオマス燃料を燃やし、様々なパイプを経て冷却、精製、ろ過して発電に使うための電力を作る「ガス化」の過程を紹介。その後、このガス化によって、人々がどんな恩恵にあずかっているか、インタビューが続きます。その内容は安定した電力を供給されて状況が改善した村の診療所、ディーゼルによる発電よりも安い電力を使えることで多くの収益が上がるようになった中小企業、より良い上映ができるようになった映画館、バイオマス燃料を提供することで収入を得ている農民など、多岐にわたります。
この取り組みは地球温暖化や貧困問題などの解決につながる持続可能なエネルギーを使った技術を推進した企業などに贈られるアシュデン賞の1つThe Renewable for Economic Development Award を2009年に受賞しています。
バイオマス発電でみんなが幸せになる仕組みを実現することは可能だ、と確信できる番組です。ぜひ見てみてください。
【執筆】阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net
[関連サイト]
● Saran Renewable EnergyのHP(英語)
この番組で紹介されたSaran Renewable Energy社の HPです。現在取り組んでいるプロジェクトなどについて、詳しく載っています。
http://www.saranrenew.com/
● アシュデン賞のサラン・リニューアブル・エネルギー社の紹介ページ(英語)
この番組で紹介したサラン・リニューアブル・エネルギー社の取り組みについて、詳しく紹介しています。PDFのレポートをダウンロードして読めます。
http://www.ashdenawards.org/winners/saran09
● アシュデン賞の2009年国際部門の受賞者の紹介ページ(英語)
アシュデン賞のチャンピオンを含む他の賞を受賞した取り組みも詳しく紹介されています。興味のある方は見てみてください。
http://www.ashdenawards.org/international