持ってこないで!~外国の生鮮食品

defra_dont_bring_me_back02.jpg楽しい海外旅行のお土産に、新鮮な生鮮食品を持って帰りたい!そんな考えを抱く人は少なくないと思いますが、今回の番組はそれに「待った!」をかける内容です。制作しているのはイギリス政府の環境食糧農林省。’Don’t bring me back’ campaign(持ち込み禁止キャンペーン)というキャンペーンの一環として作られました。これはEU以外の国々から帰国する時に、ソーセージ、肉、魚、キャビア、チーズ、牛乳、マンゴなどの生鮮食品を持って来ないように!と持ち込み禁止を訴えるキャンペーンです。

defra_dont_bring_me_back01.jpg番組では、楽しい人形を使っ た1分程度の歌で持ち込み禁止を訴えています。字幕つきで人形が歌を熱唱する様子はリズムも軽やかで楽しいですが、伝えている内容は深刻です。EU以外の国々から帰国する時に、生鮮食品を中心とした持ち込みは違法とされている食べ物を持ち込もうとすると、没収され、場合によっては求刑されることもあるのだと訴えています。その理由は、口蹄病や鳥インフルエンザなど、動植物や人間に感染する病気を持ってくる可能性があるから。もし病気が入ってくると、国民の健康、家畜、農業などの国内の産業、自然環境に多大な影響がおよびます。

defra_dont_bring_me_back03.jpg番組の見所は、なんといっても楽しい歌と人形の動き。ノリノリなので思わず見入ってしまいます。でも、最後は法に反することは絶対禁止だという厳しい訴えが、ちゃんと伝わってきます。こういう問題を訴えるには、ただ正攻法で「ダメだ!」と厳しく唱えるだけでなく、思わず相手に見させてしまう、楽しいノリで伝えるのも有効だということを、あらためて感じられる番組です。ぜひ見てみてください。
【執筆】阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

[関連サイト]
● Don’t bring me back(英語)
今回紹介している、Don’t bring me backのサイトです。何が持ち込み禁止か、禁止にする理由などが詳しく載っています。
http://dontbringmeback.direct.gov.uk/index.html
● Defra(Department of Food and Rural Affairs) 環境食糧農林省(英語)
このキャンペーンをおこなっている、イギリス政府の環境食糧農林省のサイトです。
http://www.defra.gov.uk/