母なる海のなかへ 第二章
- Resisted date2010.11.19 |
- Movie Time7:41 |
海では何が起こり、それは近い将来、どんなことを引き起こすのでしょう?そして、私たちはいま、海のために何をすべきなのでしょうか?国際環境保護団体「Greenpeace」の短編ドキュメンタリー映画「Drop into the Ocean」では、海中の映像を交えながら、このテーマについて詳しく描いています。
池や生簀などの施設で魚介類を人工的に育てる「養殖」は、食料となる海洋生物を安定的に市場に供給でき、乱獲により減少傾向にある海洋生物の保護にもつながるとして、世界中で広く行われてきました。しかし、餌を確保するために海洋生物が乱獲されたり、養殖場を設置するためにマングローブなどの原生林が犠牲になったりと、かえって状況を悪化させています。また、海は、私たちにとって、食料源であるのみならず、エネルギー資源の宝庫。それゆえに、石油など鉱物資源の採掘・運搬過程で重油漏れなどの事故が発生し、海が汚染されることもあります。さらには、昨今、世界中でクローズアップされている気候変動や地球温暖化が、海にも深刻な影響を与え始めています。水温のわずかな上昇が小さな海洋生物にダメージを与え、これによって、海の生態系全体のバランスを崩すおそれがあるのです。
このように、いま、海では、多くの深刻な危機に直面しています。では、海を守るために、私たちはどんなことをすべきでしょうか。この映画では、その具体的な方策として、陸地の自然保護と同様、海にも「自然保護区域」を設けることを提唱しています。漁や採掘などを一切禁止することで、海の回復を促すことができます。もちろん、これを実行するためには、国際レベルで各国が協調し、地球規模で取り組むことが不可欠。また、年間120億ドル(約1兆円)規模の費用もかかるとみられています。
とはいえ、まだ遅くはありません。地球上の生物にとって不可欠な海を未来に受け継ぐためにも、いまこそ、私たちが行動を起こすときといえるでしょう。