限りある水資源を守るために

ramsar01.jpg今回の番組は、ラムサール条約がテーマです。ラムサール条約とは、湿地帯の保存に関する国際条約です。湿地の生態系を守る目的で1971年2月2日に制定され、1975年12月21日に発効しました。1980年以降、定期的に締約国会議が開催されています。

ramsar03.jpg番組では、最初に湿地帯とはどのような場所を指すのか、どんな役割を果たしているのかを、イラストと美しい湿地帯の風景で説明しています。ラムサール条約の定義では、湿地は天然、人工、永続的か一時的か、水がとどまっているか流れているかなどを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地又は水域のことを言い、低潮時における水深が6メートルを超えない海域も含むそうです。具体的には内陸の湿地帯として湖、沼地、川、オアシス、水田、人工のため池などがあり、海岸の湿地帯としてマングローブ、サンゴ礁、干潟、河口などがあります。(番組ではイラストで分かりやすく紹介しています。)これらの湿地帯は、自然界の水の循環にとってかけがえのない役目を果たしています。また、人間も地下水や農業のかんがいで利用しています。さらに、湿地帯は世界の1/5の炭素を含んでいるため、温暖化対策のためにも大切な存在です。

ramsar02.jpg番組では、湿地帯の重要性が分かったところで、今まで人間がいかに湿地帯を軽視し、破壊してきたかが紹介されます。地球上の半分の湿地帯がなくなってしまったそうで、とてもショックです。しかし、最後は希望も紹介されています。それは、ラムサール条約の存在。これは湿地を守っていくためのこれは国際的な約束であり、水の有効利用、国際的な湿地帯のネットワーク作り、国内や地域での協力体制を作っていく手助けになっています。「手遅れになる前に、湿地帯を守る活動を1人1人が始めることが大事」という言葉には、大いに納得させられます。韓国のチャンウォン市の美しい湿地帯の風景も楽しめるので、ぜひ見てみてください。
【執筆】阿久津 美穂(Slow Media Works)http://www.slowmediaworks.net

関連webサイト
● 環境省:ラムサール条約について(日本語)
ラムサール条約の概要が分かりやすくまとめられています。
http://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/index.html

● ラムサール条約のサイト(英語)
ラムサール条約に関する情報を集約しているサイトです。
http://www.ramsar.org/