パーム油と森林破壊の関係

palmoil002.jpgアブラヤシの実から得られるパーム油は、スナック菓子やマーガリンといった食品から、石けん、シャンプーなどの日用雑貨まで、私たちの身近な商品の原料として、幅広く利用されています。しかし、近年、パーム油の生産量の増加により、貴重な森林が破壊され、地球環境にも影響を及ぼしています。環境 保護団体・世界自然保護基金(WWF)では、動画「Palm Oil」の中で、このテーマについて採りあげています。 palmoil003.jpgインドネシア、マレーシアといったパーム油の生産国は、絶滅危惧種が多く生息する地でもあります。しかし、近年、アブラヤシを栽培する大規模農場が拡大し、多くの森林を破壊。これまで森林で生活していた人々や野生生物に大きな影響を与えています。また、荒れ果てた森林は、大気中に二酸化炭素を排出し、これが地球温暖化につながるとも指摘されています。これらの課題に対して、生産者の一部では、持続可能なパーム油の生産に取り組みはじめました。また、環境に配慮され、社会的観点からも好ましいとされるパーム油の国際的な基準が制定され、この基準に適合した製品を認証する制度も整備されつつあります。 palmoil001.jpg私たち消費者が、パーム油による森林破壊を防ぐためには、何ができるでしょうか?この動画では、消費者の選択こそ、自然環境や気候に影響を与えると指摘。より多くの消費者が、持続可能なプロセスから生産されたパーム油を含む商品を積極的に選び、企業に持続可能なパーム油の活用を促すべきだ、と訴えています。日本では、パーム油のほとんどを輸入に頼っているのが現状。普段何気なく利用している食品や日用雑貨のパーム油が、どこで、どのように生産されているのか?まずは、私たち一人ひとりがこれについて意識することが、その第一歩といえそうです。 執筆:松岡由希子 [関連サイト] 世界自然保護基金(WWF)の「Living Planet Report」(英語) WWFがまとめた地球環境に関するレポートが掲載されています http://wwf.panda.org/about_our_earth/all_publications/living_planet_report/ 世界自然保護基金(WWF)のパーム油に対するウェブサイト(英語) パーム油に関する調査結果やこの持続可能化に向けたWWFの活動内容が紹介されています。 http://wwf.panda.org/what_we_do/footprint/agriculture/palm_oil/