熱帯から亜熱帯の河口に生息するマングローブ。陸地と海を橋渡しし、魚やさんご礁など、数多くの海洋生物が生息する場所としても知られています。しかし、近年、マングローブが危機に瀕していることをご存知ですか。環境保護団体・世界自然保護基金（WWF）は、この問題を採りあげた動画「The importance of Mangroves」を製作。世界各地のマングローブの姿を紹介しながら、地球全体におけるマングローブの重要性とその保護の必要性を静かに訴えています。

マングローブは、海洋生物を守り、はぐくむ場であるのみならず、陸上で生活する人々や自然を津波や嵐から守る機能も果たしています。また、二酸化炭素を吸収する働きを持ち、気候変動の防止に役立っているという面も…。つまり、マングローブは、豊かな生態系を維持する機能だけでなく、地球全体のバランスを調整する役割も担っているのです。しかし、近年、養殖のための極端な開発や伐採、廃棄物の投棄などによる汚染が原因で、多くのマングローブが破壊されてきました。これまでに、約半分のマングローブが失われたともいわれています。また、マングローブの破壊とともに、多くの生物が、その貴重な生息地を奪われています。

では、いったん失われたマングローブは、二度と取り戻せないのでしょうか。この動画では、私たち一人ひとりがその保護のために力を合わせれば、マングローブのダイナミックな生態系を取り戻すことができると訴えています。実際、世界自然保護基金（WWF）では、世界各地のコミュニティと協力し、この課題の解決に取り組みはじめているとか。日本では、奄美地方や沖縄など、一部の地域でしか見られないマングローブですが、この動画を通じて、マングローブが地球に果たす役割やその重要性を知ってください。

執筆：松岡由希子

【関連サイト】
世界自然保護基金（WWF）の「Living Planet Report」（英語）
WWFがまとめた地球環境に関するレポートが掲載されています
http://wwf.panda.org/about_our_earth/all_publications/living_planet_report/

世界自然保護基金（WWF）のマングローブ保護活動サイト（英語）
マングローブの現状やこの保護に向けたWWFの活動方針が紹介されています。
http://www.wwf.mg/ourwork/climatechange/ccprojects/mangrove_conservation/