アホウドリの危機

0328_albatross1.jpg
アホウドリ類の大部分の種が、いま、絶滅の危機に立たされていると言います。
専門家の研究によって、その原因はマグロ・カジキ類などを対象とした「浮延縄(うきはえなわ)漁業」やマゼランアイナメ(ギンムツ)やメルル-サ(ヘイク)、タラ類、オヒョウなどを対象とした「底延縄漁業」による「混獲(こんかく)」であることが明らかになってきたそうです。
0328_albatross2.jpg
この延縄漁業によるアホウドリ類の「混獲」問題がはじめて議論されたのは、1995年8月にタスマニアのホバートで開催された第1回国際アホウドリ類会議でした。
幹縄の長さは1回に100 km 以上の長さに及び、それに数1000本の釣針がつけられ、1隻が1日に何回も投縄・揚縄します。したがって、1隻が1日に万単位の釣針を投入することになり、1回の投縄による混獲の頻度がわずかだとしても、1日の投縄回数や操業日数、操業船舶数が掛け合わされ、年間に数万羽のアホウドリ類が犠牲になるのです。
0328_albatross3.jpg
ではどうしたらいいのか?日本人が考えた方法が今、効果を出してきているそうです。その方法は、延縄を入れる時、船尾から約50mにわたって吹き流し状の揺れるひもをいくつも垂らして、「鳥避け」の役割をはたす”フェンス”をつくるという方法です。アメリカ連邦政府はアラスカ海域の底延縄漁業者に対して、この鳥避けを無償で提供し、混獲による海鳥類の被害を実際に軽減しています。他にもいくつかの方法を加えることより、その効果が出てきているそうです。マグロ類やタラ類、ギンムツ、メルルーサなどを大量に消費している私たち日本人だからこそ、混獲のない漁業について、今、考えなければならないのではないでしょうか。

関連webサイト
アホウドリ復活への軌跡
http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/ahoudori/index.html

バードライフ・インターナショナル(アホウドリ類保護)
http://www.birdlife.net/action/campaigns/save_the_albatross/index.html