乱獲から持続可能な漁業へ
- Resisted date2009.04.16 |
- Movie Time4:01 |
最近、見聞きすることが多くなった問題の1つ、魚の乱獲。魚好きで、世界中から来た魚を食べている日本人としては「知らなかった」ではすまない問題です。今回の番組は、この問題を伝え、魚の保護を訴えています。
制作したのはグリーンピースのイギリス支部。グリーンピースのイギリス支部では、影響力のある人々、企業、組織を巻き込んだSeafood See Lifeという新しいネットワークによる、魚の保護を訴えるキャンペーン活動を展開しています。今回の番組は、問題を詳しく紹介するために制作されたもので、いろんな立場の人々への取材内容が次々に紹介され、問題と解決策が明らかになっていくという構成になっています。
最初に明らかになるのは、現在の海の危機的な状況。1950年代から開発された漁場の65%が現在は崩壊しており、なんとマグロ、メカジキ、タラなどの大型の捕食魚の90%が捕りつくされたそうです。このまま市場の需要に応じるままに商業的な漁業を続けていくと、魚の数はますます減る一方です。ではどんな対策をすればよいのでしょうか?番組では、グリーンピースによる人々に知らせるキャンペーン活動、マークス・アンド・スペンサー(高級スーパー)での絶滅の危機に瀕している魚を売らないようにする試み、有名シェフによる人々への告知、政治家による活動、フィッシュ・アンド・チップの店で仕入れる魚を持続可能な漁業によるものにしている取り組みなどが紹介されます。また、何よりも大事な対策として、スペリンのカナリア諸島エル・ヒエロで開発を制限し、保護区にしたことで魚が戻ってきた成功事例が紹介されます。
漁師、レストラン、漁業関係者、スーパー、魚を食べる人々みんなにとって、魚がいなくなるのは困ることで、もちろん環境にも悪影響です。「関わる人々すべてが、もっと持続可能な漁業を推進していくことで、この海の危機を乗り越えよう」というメッセージとともに番組は終わります。番組を通してこの問題を理解し、できることを考えてみてください。
【執筆】阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net
[関連サイト]
● グリーンピースのSeafood See Lifeサイト(英語)
今回紹介した問題の内容、私たちでできるアクションなどが載っています。
http://www.greenpeace.org.uk/seafood-seelife/seafood-seelife