農作が引き起こす森林破壊~アマゾンを救う
- Resisted date2009.01.09 |
- Movie Time3:07 |
豊かな自然をたたえるアマゾン。しかし、そのアマゾンは常に開墾、違法伐採、放牧、気候変動などの脅威にさらされています。その1つが、大豆畑を開墾するための森林伐採。今回紹介する番組では、この大豆畑のための開墾、栽培を一時停止する「大豆モラトリアム」について紹介しています。制作しているのは国際的な環境NGOグリーンピース。「グリーン」(持続可能)で「ピース(平和)な社会を実現するために世界中で活動している団体です。
この「大豆モラトリアム」は、企業、環境団体、NGOなどが取り組んだもので、2006年7月に制定されました。内容は、ブラジルにある大豆の取引業者の大手数社が、新規の森林伐採地域で栽培された大豆の購入を一時的に停止する、というものです。期間は今のところ2009年7月までに延長されています。
番組では「大豆モラトリアム」で特に画期的だった点として、大企業が協力した点を挙げています。このモラトリアムの設立のきっかけは、大豆耕作が及ぼすアマゾンへの脅威を明るみに出した、グリーンピースの調査でした。そして国際的な大手企業が、森林伐採地域で生産された大豆を使っており、結果的にこの問題に関わっている事実を暴露。マクドナルドなどの大企業はこの事実を重く受け止め、グリーンピースと良好な関係を保ちながら、森林伐採地域で生産された大豆を使わないことを決定しました。それまでの市民運動と企業の関係は、多くが「対立」の構図だったので、これは画期的なことです。グリーンピースの担当パット・ベンディッティ氏も「このような傾向がもっと広がるべき」とコメントしています。
このアマゾンの森林伐採の問題は「大豆モラトリアム」だけで解決するわけではありません。他にも森林への脅威はたくさんあります。でも「このモラトリアムがアマゾンの未来を守っていくための重要な一歩であることは間違いない」という言葉で番組は締めくくられています。じっくり見ながら、NGOと企業の協力体制、企業の取り組みの重要性、日々の食と森のつながりなどを考えてみてください。
【執筆】阿久津 美穂(Slow Media Works)http://www.slowmediaworks.net
<関連webサイト>
● グリーンピース・大豆モラトリアムの延長に関するプレスリリース(英語)
今回紹介した大豆モラトリアムの延長について詳しく紹介されています。
http://www.greenpeace.org/international/press/releases/extension-amazon-soya-moratorium
● グリーンピース・ジャパン「ついに アマゾンの森林破壊が2年間停止に!」(日本語)
今回の内容についての2006年のニュースです。詳しく背景を知りたい方は読んでみてください。
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20060726_html