子供の心を育てるビオ・トープ~大袋東小学校の取り組み
- Resisted date2008.09.19 |
- Movie Time4:04 |
ビオトープとは、もともとギリシャ語で、ビオ(生き物)のトープ(住むところ)という意味を持つドイツの新しい自然思想のことを言うそうです。生物の生息する生態的空間を大切にするとともに、もっと積極的にその生態空間を人為的に守り再生していこうというものだそうで、ドイツではコンクリートで覆われて魚やいろいろな生物が住めなくなってしまった河川を、そのコンクリートの護岸を壊し、自然な淵のある蛇行して流れる川に再生しているそうです。?日本でもすでにその研究は始まっており、川や森、公園や学校、公共施設から個人の庭にもビオトープ化が広がりつつあります。
今回ご紹介する、埼玉県越谷市大袋東小学校は、もともと校地内にあった「ならばやし」と呼ばれるクヌギ林を生かし、ビオトープとして生徒と共に作りあげてきました。そして、その結果(財)日本生態系協会主催の全国学校ビオトープ・コンクールで環境大臣賞を受賞したそうです。
最初は、ビオトープの管理も分からず、試行錯誤だったそうですが、ビオトープのおかげで、子供たちにも、思いやりの心、正しい自然観や生態系の大切さを実感することができたと言います。
取材の際も、ビオトープにいる子供たちの生き生きした様子が印象的でした。先生方も、総合的な学習の時間だけでなく、理科や図工、生活科、道徳などの教材として全学年で利用でき、学校全体にとってなくてはならない場になっているようです。また、周囲が住宅街になっていることから考えても落ち葉などが落ちることで、苦情に繋がることもあるのですが、苦情がないどころか、落ち葉を地域住民の方が一緒に掃いて下さるそうです。掃いて下さる地域の方には「ありがとう」の感謝の気持ちを伝える場を持つなど、子供たちにとっても地域の方と交流する良い機会にもなっているようでした。
ビオ・トープ(bio+topos)は、いのち(bio)の 場所(topos)。
自然と触れ合い、自然を肌で感じられるだけでなく、人との交流も生み出すビオ・トープ。これからも子供たちの心を育む場所として、地域の繋がりを育む場所として、生物の命を繋ぐ場所として、各地で増えていくことを願います。
あなたの暮らす地域の学校にも、ビオ・トープはありますか?
<関連webサイト>
埼玉県越谷市立大袋東小学校
http://school.city.koshigaya.saitama.jp/obukurohigashi-e/
日本生態系協会
http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/
全国学校ビオトープ・コンクール2007~目が輝いているね、ビオトープ~
http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/event/bio_con/index.htm
【書籍】学校・庭園ビオトープ 考え方つくり方使い方
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032114119&Action_id=121&Sza_id=C0&Rec_id=1004&Rec_lg=100401