海洋保護区と生態系のつながり 第一章
- Resisted date2010.12.17 |
- Movie Time6:10 |
漁業による乱獲によって生態系のバランスが崩され、石油など鉱物資源の採掘で汚染されるなど、海はいま危機的状況にあります。一方で、陸地に比べて、海洋での環境保護は進んでいるとはいえません。では、海を蘇らせるためには、どのような方法があるのでしょうか?このテーマについて採りあげているのが、国際環境団体「Greenpeace」の短編ドキュメンタリー映画「Marine Reserves」です。
魚介類をはじめとする海洋生物は、私たち人間にも必要な食料。それゆえに、本来は、必要な量に限って捕獲し、海洋の生態系との共存をはかっていくべきなのですが、技術の進歩に伴って大規模な漁が横行。成長過程にある生物や不要な生物まで無差別に捕獲し、海洋生物の生態系に悪影響を及ぼしています。そこで、海洋の生態系保全に向けて、陸地での自然環境保護と同様、保護区の設置の必要性が多く指摘されるようになってきました。海洋保護区は、漁や採掘、ごみの投棄など、あらゆる有害な行為を禁じる区域のことで、これにより、ある特定の生物を保護するだけでなく、その区域全体の生態系を回復させるのが狙いです。実際、保護区に生息する生物の個体数が急激に増加するなど、その実効性は科学的な調査・研究によって証明されはじめています。たとえば、米国東海岸では、ホタテガイの底引き網漁を禁じたところ、4年後には個体数が大幅に増え、サイズも大きく成長したとか。これに伴って、産卵数も増加し、生存率も上昇してきたそうです。
もちろん、数年で立ち直る生物もあれば、何十年もかかる生物もあり、その効果が現れる規模やスピードは生物によって異なりますが、海洋保護区は、バランスを失いかけた海の生態系を回復させるための有効な方策のひとつといえるでしょう。こちらの映画「Marine Reserves」を通じて、海洋保護の必要性とその具体的な方策について知ってください。
執筆:松岡由希子
【関連サイト】
Greenpeaceの「Defending our Oceans」公式ウェブサイト(英語)
国際環境保護団体「Greenpeace」による海洋保全活動について紹介されています。
http://www.greenpeace.org/international/campaigns/oceans/