サンゴ礁~海の宝を守ろう

iyor_dailyroutine03.jpg今回は、サンゴ礁保護のIYORから2本目の映像をお届けします。30秒という短い映像ですが、海のように大きくて深いメッセージが込められています。それは、「私たちの行動一つひとつがサンゴ礁や自然に影響を与えていて、ほんの少し生活を変えれば地球を守ることができる」ということ。サンゴ礁を通して、そのことについて一緒に考えていきましょう。

iyor_dailyroutine01.jpgみなさん、美しいサンゴにはどんな役割があるかご存知ですか?大きな特徴を3つにまとめてみました。
①まずは、サンゴ礁は海の生態系を保っているということ。サンゴ礁には、海の生き物の4分の1が生息していると言われていて、住む場所や産卵場所を提供しています。そのため「海の熱帯林」や「海のゆりかご」と呼ばれることがあります。サンゴ礁は、海の命を育む大切な場所なんですね。
②もちろん、人にとってもサンゴは大切な存在。サンゴ礁は「バリアリーフ」、つまり「自然の防波堤」としての役割も担っており、津波から人々を守ってくれています。まだ記憶に新しい2004年12月のインド洋大津波では22万人以上もの人が命を落としましたが、サンゴ礁に囲まれたスリランカ南部のヒッカドゥワでは一人の死者も出なかったそうです。このビデオの中でも、サンゴ礁は「natural guardians of our shores = 海岸を守るもの」と表現されています。
③そして、その美しさも大きな特徴であるため、観光業にも役立っています。色とりどりのサンゴ、そしてその周りにやって来る色鮮やかな魚たち。万華鏡のようなその世界は、まるで宇宙のように神秘的。サンゴ礁を見るために世界中を旅しているダイバーだってたくさんいるでしょう。サンゴの美しさに、魚や人も引き寄せられています。

しかし、世界中のサンゴ礁の多くは現在、生存の危機にさらされています。その原因として映像で訴えられているのは、「地球温暖化」「汚染」そして「過剰な漁業」。地球温暖化によって水温が上昇するとサンゴに「白化現象」が起こり、その状態が続くとサンゴは死んでしまいます。これは既に世界中のサンゴ礁で広がっており、日本でも発見されています。また、サンゴはとてもストレスに弱い生き物と言われており、私たち人間の経済活動によって生じた海洋汚染、そして過剰な漁業による海洋生態系への悪影響から、サンゴも大きくダメージを受けています。

iyor_dailyroutine02.jpgつまりは、私たちの生活がサンゴの命に大きな影響を与えているのです。映像の最初では、「あなたが、サンゴ礁から1マイルしか離れていないところ、何千マイルも離れたところに住んでいようとも、あなたの行動はサンゴに影響を与えている」と言っています。直接的にサンゴと関わりを持っていなくても、現代社会の経済活動の一部に組み込まれている私たちは、地球温暖化や海洋汚染と関係を持っており、サンゴや海の生き物の命に間接的に影響を与えていると言えます。でも、そんな間接的な「見えないつながり」があるからこそ、良い影響を与えることもきっとできるはず。例えば、アイドリングストップをする、タクシーでなく電車を使う、家族や大切な人と地球環境について話し合う・・・。どんなシンプルなことだっていいんです。それがどんな風に役立っていくのか、それはきっとすぐには目に見えません。でも、大丈夫。今からあなたのできることを始めていきましょう。そうすれば「見えないつながり」から、今度はポジティブな結果が生まれてくるはず。「すべては私たちの生活の中のシンプルな変化にかかっている。」この映像でもそんなメッセージが届けられています。

そしてこの映像はこんなことも言っています。「どんなに遠く離れていても、サンゴ礁も僕たちの生活に影響を与えている。」そう、サンゴ礁は、海の命を育ててくれるお母さんみたいな存在なのです。私たちの見えないところで、地球の命を支えてくれていると言ってもいいかもしれません。あなたは、お母さんにどんな恩返しをしていきたいですか?サンゴという海の宝石を、みんなで宝物のように大事にしていけたらいいですね!

執筆:green writer 植村芳菜

<参考URL>
国際サンゴ礁年2008
(日本語)http://www.din.or.jp/~nature/uwcn/IYORJ/
(英語)http://www.iyor.org/default.asp

green.tvで前回ご紹介したIYORの映像。こちらでIYORの活動について詳しくご紹介しています。
http://www.japangreen.tv/journal/#/000432