スリランカの未来を創るエコツーリズム
- Resisted date2008.10.10 |
- Movie Time4:19 |
みなさん、スリランカはどんな国か知っていますか?スリランカはインドの南に位置しており、1つの島といくつかの小さな島々で構成されています。美しい海、おいしい食べ物、紅茶などが有名で、観光も大きな産業の1つとなっています。また、自然が豊かで、特に国立公園には絶滅危惧種の動植物が数多く生息しており、地球の生物多様性の観点からも大切な場所です。この番組では、そんな美しい自然と動物たちを見せながら、直面している問題と解決策を示しています。
番組では最初に、スリランカに17ある国立公園のうち数カ所と、そこに生息する動物を紹介。ウダワラウェ国立公園ゾウや、ヤラ国立公園のヒョウ、世界遺産に登録されているシンハラジャ森林保護区に生息する珍しい動物たちやヘビなど、その美しさに魅了されます。
ところが、これらの国立公園の動植物は危険にさらされています。その原因は、森林伐採や自然との調和を考えない米やココナツの農業です。しかし人々はそれで生計をたてているため、ただやめさせるだけでは生活に困り、結果的にまた農業や森林伐採に手を出すことになりかねません。そこで鍵となるのがエコツーリズム。観光産業と地元の人々の雇用をうまく結びつけ、観光客も地元の人々も、国立公園の動植物もみんなハッピーになれる仕組みを作るのです。
すでにエコツーリズムの取り組みは成果を上げています。例えば、エコキャンプでは地元の人々に働き口が提供されています。また、観光客からの寄付が、親とはぐれたゾウの子どもを育てて国立公園に戻しているウダワラウェの象保護局のゾウの粉ミルクの購入資金になっています。他にも、観光客がカメの子どもを海に戻す活動に参加することでカメの数が増えています。
エコツーリズムの明るい兆しを知って嬉しくなりますが、これではまだ十分ではないとのこと。「飛行機による旅は温暖化の主な原因ですが、スリランカに観光客が来ないと貴重な野生動物は消えていってしまうでしょう」という言葉にも考えさせられます。エコツーリズムは世界中の旅にあてはまるテーマです。まずは番組を観て、これからの旅をエコ活動に少しでもつなげられるよう、可能性を考えてみてはいかがでしょうか?
【執筆】阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net
<関連webサイト>
● 今回の映像を制作したgreentravelguides.tvのサイト。10/28に本格オープン予定です。(英語)
http://greentravelguides.tv/
● スリランカ大使館のHP(日本語)
http://www.lankaembassy.jp/index_ja.htm
● 日本エコツーリズム協会のイベント・エコツーカフェ「スリランカ」の報告ブログ(日本語)
http://ecotourism.blog10.fc2.com/blog-entry-129.html