原発で深刻化する健康被害~ブラジル
- Resisted date2011.03.04 |
- Movie Time3:07 |
今回の番組は、ブラジルの大都市リオデジャネイロから150km離れたアングラドスレイスにある原子力発電所の問題をまとめた番組です。このアングラドスレイスは美しい海岸線やターコイズの海水が美しい、人気の観光地である一方、原子力発電所の問題が深刻化しています。
すでにアングラ1、2という原子力発電所が建設され、稼働しているのですが、地質学的に不安定な場所に建設されたため、粗悪な都市計画の影響と重なり、道路で頻繁に地滑りが発生しています。また、原子炉の影響からか以前そこで働いていた人が健康被害にあっています。番組でインタビューされた人は、髪の毛が抜け落ち、心臓や視力に問題を抱えているものの、医者にみてもらっても原因は分からないのだと語っています。
番組では、さらに大きな問題を提起しています。すでにある原子力発電所でこれだけ問題が発生しているにも関わらず、ブラジル政府はアングラドスレイスにもう1つ、原子発電所「アングラ3」を建設しようとしているのです。さらに恐ろしいのは、建設に使われる設備の中に25年前のものが多く含まれていること。これは、25年前にチェルノブイリ事故の影響で銀行からの資金提供が少なくなったために建設中止を余儀なくされたため、その時の設備が残っているからです。しかし、その設備の多くは現在の国際的な安全基準に違反したもの。このままでは他国では認められない設備を使った原子炉が作られてしまいます。
では、どうすれば?その解決策の1つが、資金提供をおこなっている銀行に反対することです。この原子炉はフランスの銀行、BNPパリバが多くの資金を提供しています。グリーンピースでは「これは危険なプロジェクトで、さらに建設には莫大なお金がかかるので、それにお客様の預金を託しているということは、お客様のお金を危険にさらしていることになります」と訴えています。
なお、世界の銀行の多くが預かったお金を原発の建設にまわしているのだとか。このサイトhttp://www.nuclearbanks.org/ を見るとBNPは1位です。でも、日本の銀行も11位以降に入っているので、気になる方は番組を見た後にこのサイトも見てみてください。
執筆:阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net
[関連サイト]
● Greenpeace(英語)
グリーンピースのサイトの中で今回の問題を特集しているページです。
http://www.greenpeace.org/international/en/campaigns/nuclear/stop-radioactive-investment/
●BNPパリバ・グループ(日本語)
BNPのHP(日本版)です。
http://japan.bnpparibas.com/