今回の番組は、エジプトの風力発電の現状のレポートです。エジプトの最先端の試み、今後の展望などが紹介されていて、ここまで風力発電に熱心なのか！とびっくりするような内容です。

制作したのは世界銀行。世界銀行は1944年に戦後の世界経済の安定と復興を目的として設立された国際機関で、現在は貧困削減のために、世界中の開発途上国に対して幅広い援助（融資など）をおこなっています。世界銀行は、エジプトの風力発電の民間への開放と、300kmの送電線の建設をサポートしており、この番組はそのサポートの紹介も含まれています。

番組では、最初にエジプトの風力発電の現状を紹介。エジプトの現在の風力発電の電力に占める比率は低いですが、年率8％で増える電力需要に対応しながら温室効果ガスの削減を目指す方法として、風力発電に力を入れています。そのために政府は、今は政府で管理している風力発電所の企画、建設、運営を、民間の企業にも開放。エジプトは非常に強い風が吹くので風力発電に適した土地だという事実も、強力な後押しになっています。

エジプトでは人口増加により温室効果ガスの排出量が増え続けています。そのため、太陽光発電、水力発電とともに、風力発電がクリーンな再生可能エネルギーとして注目されています。最後に紹介されるのは、10年以内に電力の5分の1を再生可能エネルギーにするというエジプトの目標。「エジプトがこの施策を成功させれば、北アフリカ、中東のエコなエネルギー施策をひっぱっていく存在になれる。そのためにも成功させたい」という願いを込めた言葉で番組は終わります。

エジプトの風力発電への意欲が2分間の番組内にしっかり詰まっています。ぜひ見てみてください。
執筆：阿久津　美穂(Slow Media Works)※www.slowmediaworks.netにリンクしてください。

［関連サイト］
● 世界銀行Climate Change（英語）
世界銀行の温暖化に関するページです。様々な地域の最新の事例が紹介されています。
http://beta.worldbank.org/climatechange/