自然エネルギーで再建したエコ小学校

winds_of_change02.jpgみなさんは、ご自分の「小学校」を思い出して、イメージするものは何ですか?例えば、運動会の日に裸足で駆け抜けた広いグラウンド、朝礼や合唱会があった体育館、古い実験道具がたくさんある理科室・・・。きっとそれぞれ様々な情景が思い浮かぶだろうと思いますが、今回ご紹介するイギリスのFrith Manor Primary Schoolに通う小学生が、大きくなってもきっと鮮明に覚えているであろうものは、12メートルもの高さの「風力タービン」。38枚ものソーラーパネルと共に、EDF Energyというイギリスのエネルギー供給会社の支援のもと、2008年1月30日に設置されました。小学校にこのような風力タービンが置かれるのはとても画期的なこと。しかし、ここまで来るには、長い道のりがありました。

winds_of_change01.jpg2002年、この小学校に悲しい出来事が起こりました。大きな火事が発生し、建物のほとんどが焼かれてしまったのです。しかし、教師たちはこれをきっかけに、「エコな小学校」として再建をし、イニシアティブを取っていくことを決断したのです。そのためのプログラムの一つとして導入されたのが、この「風力タービン」。これで作られる自然エネルギーのおかげで、年間1.6トンものCO2が節約されると映像では言っています。また、冬でも太陽の光で館内が暖かくなるような工夫が建物にされているほか、授業でも環境教育が熱心にされており、学校全体でリサイクル・プロジェクトを立ち上げたりしています。映像の中で、何人もの生徒のインタビューが紹介されていますが、みんな自分たちの学校の取り組みや環境問題に明るく、とても聡明な印象を受けます。

winds_of_change03.jpgそしてこの小学校の校長先生は、こんなことを言っています。「環境にやさしい取り組みを当たり前にして、家庭の中でも実践して欲しい。そして、未来の命に繋げていって欲しい」。これにはとても深いメッセージが込められていますね。Green TVでこれまでお届けしているたくさんの映像の中で何回もお伝えしていますが、「環境問題は自分の身近な所から取り組める」ということ。そのことに気づくだけでも、豊かな未来への一歩を進めることが出来ます。この小学校では、そんな大切なことを「当たり前」のこととして、子供のころから学ぶことが出来ます。生徒たちはきっと大人になった時、母校の「風力タービン」を誇りに思うでしょう。こんな小学校が世界中にたくさん増えて、その知識と知恵を未来に繋げていって欲しいですね!

【執筆】green writer: 植村レイラ

<関連URL>
●Frith Manor Primary Schoolの再生可能エネルギーに関することが紹介されています(英語)。
http://www.frithmanorschool.com/eco_detail.asp?Section=60&Ref=240
●EDF Energyのホームページ
http://www.edfenergy.com/