地球を守るGreen IT~パソコンの使い方を考えよう

save_climate_ur_pc01.jpgコンピュータや携帯などの情報コミュニケーション技術を「ICT」と呼ぶのですが、この番組は、ICTを使ってどれだけ省エネでき、CO2を排出せずに済むかがテーマです。ヨーロッパで製作された番組ですが、日本でも実践できそうな話がたくさん出てきます。

最初に出てくるのは、ハンガリーの首都ブダペストでの事例。日本でも、新聞などでよく話題になる在宅勤務のメリット(車を使わなくてすむ、都会に出る必要がない)が、ある女性の1日と共に紹介されます。次に紹介されるのはビデオ会議の様子。ブダペストに数カ所ある病院で、毎日ビデオ会議を使うようにしたら、会議のために他の病院に行く手間が省けたし、移動に使われるエネルギー(車のガソリンなど)の節約になった、という話です。

save_climate_ur_pc02.jpgその裏付けとなるのが、WWFストックホルム支部のデニス・パムリンさんの話。ICTによる省エネ対策として、ビデオ会議の活用、在宅勤務、紙やCDなどを使っていたものをウェブサイトからのダウンロードなどに変えるDematerialization、オンラインの支払などをおこなうと、スウェーデン全体のCO2排出量分に相当する5000万トンのCO2を削減できるそうです。WWFではさらに大きなプロジェクトとして、ヒューレットパッカード(HP)と共に世界全体で10億トンのCO2削減を目指している、とのこと。インテルなどのコンピュータ製作に関わる企業も、独自の省エネ対策によって、このような動きをバックアップしています。

save_climate_ur_pc03.jpg次に紹介される事例は、イギリスのエジンバラにあるテルフォード大学の取り組み。建物は、なるべく太陽光が入る設計にし、人がいないと自動的に電気が消えるようにしています。また、省エネ型のエコな家電やコンピュータなどを認証するEU ENERGY STAR®のラベル付きのコンピュータを導入。学生の評判も上々です。

このように、実際の事例を紹介しながらICTの可能性を見せているので、とても納得できる番組です。未来の可能性への期待が膨らむので、ぜひ見てみてください。

【執筆】阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

関連webサイト
●ビデオ会議で話していたWWFの担当者のICTの効果について、詳しく書かれています。http://www.panda.org/news_facts/publications/ict/information_technologies_climate_change/index.cfm

● このサイトから、WWFの説明で使われていた5000万トン(スウェーデンのCO2排出量に相当)のCO2排出を減らすにはどうするか、詳しく書かれたパンフレットがダウンロードできます。
http://assets.panda.org/downloads/road_map_speed_of_light_wwf_etno.pdf

●イギリスで省エネに取り組むテルフォード大学
http://www.ed-coll.ac.uk/

● EU ENERGY STAR®(EUで省エネの家電やコンピュータを認証しています。認証を受けるとロゴの入ったラベルを製品に付けられます。)
http://www.eu-energystar.org/