学校から考えよう!エネルギーのこと

毎年、ご紹介するアシュデン賞。greenTVを見てくださっている方には随分とおなじみになってきたのではないかと思います。

アシュデン賞とは、イギリスのアシュデン・トラストという慈善団体が母体となって2001年に創設されたもの。イギリス国内または世界で、CO2排出量を削減し、環境を保護、貧困を解消、人々の生活を向上させるために優れた活動を行った組織に与えられる賞です。

 

今回ご紹介するのは、アシュデン賞2011のイギリスの受賞者から、SWEA(セヴァーン・ワイ エネルギー機関)の活動です。

SWEAは、1999年にECの省エネプログラムのもとに設立された非営利団体で、教育の慈善事業を行っていて、エネルギーを将来につなげていくための啓発活動をしています。

 

SWEAの活動より以前に驚いたのは、イギリスの学校では学校ごとに基本的なエネルギー調査を生徒たちが行うんですね。日本では聞いたことのない学習ではないでしょうか。

そのエネルギー調査に対するアドバイスで、どうやってエネルギーを節約するかを考えるのですが、アドバイスが一般的なものになってしまい、省エネ効率を上げることにうまく繋がっていませんでした。そこで、SWEAが発案したのは“YEP!”(Young Energy People)という子どもたちの活動組織。自分たちの学校のエネルギー利用とCO2削減に関する調査、モニタリング、報告の方法を教えて、直面するエネルギー問題に取り組む力を生徒たち自身に養ってもらおうという活動です。

 

このプログラムに参加するため、校内に生徒たちからなる25の”スクールエネルギーマネージメントチーム“を作ります。

そしてまず、学校のエネルギー状況を調査し、気付いたことを上学年のスタッフに提出。さらに、「エネルギー日誌」という、月ごとのガスや電気の使用量を記入して気付いたことを報告書にしてSWEAに提出します。

これにより、日々の省エネが実現。イギリスの29校で年間5500ポンド、日本円で約70万円(1ポンド126円で計算した場合)のエネルギー料金を削減でき、CO2排出量も年間12%減らすことができたのです。

さらに素晴らしいことに、生徒たちの卒業後の人生に大きく役立つ職業スキルも上がりました。

 

SWEAは、YEP!ノウハウを各国にも広めたいと考えています。

これを見るにつけ、日本のエネルギー活動への関心はまだまだ低いなと感じます。もっと視点を市井の人々に移していければいいですね。

 

参考サイト

http://www.ashdenawards.org/winners/swea11

アシュデン賞のHP。

 

http://www.swea.co.uk/

SWEAのHP。