原油発掘地で起こる異常

coop_h2oil003.jpg先日アップされた「ガスランド」の上映予告の動画はご覧いただいけましたでしょうか?
今回ご紹介するのもイギリスコープのキャンペーンから、ある問題作の予告です。
すでにDVDにもなっているため、詳しくは参考サイトに掲載したHPをご覧くださるともっとよくわかりますが、ここでは簡単に要点をお伝えします。

まず知っておいてほしい語句が二つ。一つは「オイルサンド」。「黒くて粘り気が強く、冷えると固まるタール状の油」(『ナショナルジオグラフィック』2009.3)を含んだ砂岩のこと。それを加工して「合成原油」を精製するのがカナダの主要な産業になっています。実は、カナダはサウジアラビアに次ぐ産油国で、それはアルバータ州北部のアサバスカ川近くにある広大なオイルサンドが眠っていることに起因します。 もう一つは、「ビチューメン」。掘り起こしたオイルサンドには80度ほどのお湯をかけ、砂についている粘っこいタール状の油を抽出します。この油を「ビチューメン」と言います。

coop_h2oil001.jpgさて、問題はこの油を抽出するのに森を切り開くこと、抽出過程で出る有毒物質を含む排水や泥を人口貯水池に溜めること。サウジアラビアの油田で同量の油を採掘する3倍以上のCO2が排出されること。毎日採掘される100万トンもの砂岩からビチューメンを抽出するためには20万トンの湯が必要なこと。タイトルの”H2Oil”は、ここからつけられています。

まだまだお知らせしたいことはたくさんありますが、動画をご覧いただくにあたって必要なことだけにとどめます。興味のある方は、是非本編をご覧ください。エネルギー政策を本気で考えなくてはならない時は、もう過ぎているのです。

小田原由花

【参考サイト】
http://www.co-operative.coop/Toxicfuels/Home
イギリスコープのキャンペーンページ。様々な環境問題に警鐘を鳴らしています。

http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0903/feature02/
ナショナルジオグラフィック 2009年3月号の特集ページ。カナダのオイルサンドがどういう状況にあるのか、文章でしっかり考察されています。

http://h2oildoc.com/home/
H2oil 映画のHP