欧州の河川を輸送路へ

mostra_charting_thecourse003.jpg商品を買うまでには、物流のプロセスがあります。今まではトラックで道路輸送するのが多かったですが、より環境に優しい輸送方法として、電車や船による輸送が注目されています。今回の番組は、ヨーロッパにおける、川や運河を使った輸送の活性化の取り組みのレポートです。制作したのは、マルコ・ポーロというプログラムです。マルコ・ポーロは二酸化炭素が多く出る車を使った輸送から、電車や海、川や運河を船で行く輸送など、より環境に優しい輸送方法に変えるサポートをおこなっています。具体的には主に資金面の援助をおこなっており、2003年のスタート以来、すでに500社以上が資金援助を受けているそうです。

番組では最初にブルガリアとドイツ間のドナウ川を使った内陸航行の取り組みを詳しく紹介しています。この航行には6日間かかりますが、環境に優しく、また、この輸送が発達することが、地域経済の発展や雇用の拡大につながるそうです。次に紹介されるのは教育の取り組み。若い学生たちや時間を有効活用したい船員のために、内陸航行に関するEラーニングの教材を作っているオーストリアでの取り組みが紹介されます。最後に紹介されるのはドイツの都市での取り組み。水位が低い川を使いながら輸送するために、水位が低い川ではボートを使い、途中で大型船舶に荷物を積み替えるという方法がおこなわれています。これらの取り組みはすべて、マルコ・ポーロの資金援助を受けています。

mostra_charting_thecourse001.jpgヨーロッパには航行できる川や運河が合計で37000kmもあるのに、専門家によるとこれらの川や運河を使った内陸航行は「可能な規模の15%しか活用されていない」とのこと。番組を観て、EUにおける内陸航行の発展の可能性を、感じ取ってください。

執筆:阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

[関連サイト]
● Marco Polo(英語)
Marco Poloのプログラムに関するHPです。
http://ec.europa.eu/transport/marcopolo/about/index_en.htm