電気自動車が変える社会~ストックホルムの政策
- Resisted date2010.03.12 |
- Movie Time2:12 |
スウェーデンの首都ストックホルムは水で囲まれた自然豊かな都市。2050年までに化石燃料を撤廃するという高い目標を掲げ、環境に優しい都市づくりに積極的に取り組んでいます。中でも、特に力を入れているのが、自動車から排出される温暖化ガスの削減。公共交通機関の整備や自転車用レーンの設置により自動車の交通量そのものを軽減させる一方で、環境負荷の低い電気自動車の普及を推進しています。
動画「Emission Free Stockholm」は、ストックホルム市で進められている電気自動車の普及への取り組みを紹介しています。ストックホルム市は、2030年までに自動車からのゼロエミッションを実現しようという「Electric City 2030」計画のもと、エネルギー企業Fortum社と共同で、市内各所に充電ステーションの建設を進めています。公共駐車場に充電設備を導入するなど、地域住民への利便性にも十分考慮されています。また同時に、スマートグリッドの実装にも取り組んでおり、余剰電力を無駄にすることなく効率的に電力を供給できる仕組みづくりにも取り組んでいます。
2009年ストックホルムで開催された「EuroCities2009」では、各国の代表団が実際に電気自動車に試乗しました。「静かだった」「乗り心地がよかった」など評判は上々だったよう。互いに陸続きになっている欧州全体で電気自動車を普及させるためには、域内での充電インフラの標準化や共通の規格づくりなど、検討すべき課題が多くありますが、ストックホルムが現在取り組んでいる「Electric City 2030」が先行事例となり、今後の欧州での電気自動車普及の推進にも役立つことでしょう。
日本でも、一部の地方自治体や企業で実験的に電気自動車が導入されています。今後はストックホルムと同様、都市計画の一環として、インフラ整備も含めた電気自動車の普及への取り組みが実施される地域が増えるかもしれません。こちらの動画「Emission Free Stockholm」をご覧いただき、クルマ社会の次世代のカタチを少し覗いてみましょう。
執筆:松岡由希子
[関連サイト]
●ストックホルム市の公式ウェブサイト「Vision 2030」(英語)
ストックホルム市が取り組んでいる環境に優しい都市計画「Vision 2030」の内容が紹介されています。
http://international.stockholm.se/Future-Stockholm/