影絵で映すサバンナの生物多様性

セラードは、ブラジルの中央高原に広がる熱帯性森林サバンナ地帯です。生物多様性が豊かで、オオアリクイやオオアルマジロなどの希少な動物が生きています。しかし、その自然は急速に失われつつあり、大規模な開発などにより、すでにその半分は失われてしまったそうです。今回の番組は、そのセラードの危機と、私たちができることを紹介する、約1分間のコマーシャルです。

制作したのは、約100カ国で活動している環境保全団体のWWFです。この番組はイギリスのWWFが制作したもので、セラードを救おうというキャンペーンの一環で作られたコマーシャルです。
内容はとてもシンプルですが、印象に残るものです。その秘密は、手の影絵。コマーシャル全編を通して手の影絵で見事に、自然や動物を表現しています。

番組の前半では、セラードの豊かな自然と動物を紹介。手で作られる木々や動物の姿にくぎ付けになります。後半で紹介されるのは、大豆畑のための開墾で大規模な地域が失われているという現状。すでに半分が失われており、今、何かしないと全てなくなってしまう危険があるそうです。それを打開する策として提案されるのが、近くのスーパーに環境に配慮した大豆のみを買うようにお願いするメールをしたり、森林破壊につながる大豆を買わずに、環境に優しい大豆を買うという方法。見ている人の行動を呼びかけて、コマーシャルは終わります。手の影絵とともに、心に深く刻まれるコマーシャルです。ぜひ見てみてください。

執筆:曽我 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

[関連サイト]
● WWFイギリス(英語)
今回のセラードの問題を特集しているキャンペーンページです。
http://wwf.org.uk/cerrado