今回紹介するのは、フィンランド出身のへヴィメタルバンドApocalyptica（アポカリプティカ）の演奏と、グリーンピースの活動を追った番組です。アポカリプティカは、そのルックスからは想像が難しいのですが、4人のメンバーの内3人はなんと、フィンランドの名門音楽学校シベリウス音楽院を卒業したチェロ演奏者なんです。へヴィメタルのハードな音楽の中にチェロのソフトな音色が調和しており、ロックファンだけでなくクラシックファンも楽しめるような音楽を独自に生み出しています。

2008年、ポルトガルのリスボンで行われた世界最大のロックフェスティバルRock in Rioで、アポカリプティカはベートーベンの交響曲第5番を演奏しました。世界的に有名なこの曲は、脳に良い影響やインスピレーションを与え、シンクロニシティ（共時性）を引き起こすことが科学的に証明されているとのこと。そこでグリーンピースの呼びかけで、洞爺湖のG８サミット開催に合わせ、世界の政治家が多くの人々の想いに共感し、地球にとって良い決定を下すことが出来るようにと願いを込めて、Rock in Rioで披露されました。

グリーンピースは気候変動を回避するためには「現在のエネルギー政策の大変革(revolution)とエネルギーの使い方の飛躍的な進化(evolution)が同時に必要である」としており、二つの英単語を組み合わせた「エネルギー[r]eボリューション」を呼びかけるキャンペーンをおこなっています（関連URL：http://www.greenpeace.or.jp/campaign/enerevo/）。アポカリプティカはRock in Rioのステージで、この活動に皆で参加するよう「我々も署名した。みんなにも参加してほしい」と呼びかけています。また、グリーンピースはRock in Rioの会場でこのキャンペーンに関連する署名活動を繰り広げ、観客の多くが好意的、積極的に参加。ポルトガルの有名人も多数、署名しました。

クラシック音楽をバックグラウンドとしているアポカリプティカにとって、ロックフェスティバルでベートーベンのこの曲を弾くことはまさに適役と言えるでしょう。へヴィメタルとクラシックを繋げた彼らが、今度はその音楽を通してロックファンと地球環境問題を繋げていく。無縁に思えたものが一つひとつ繋がっていくということ。これこそ、地球にとってポジティブなシンクロニシティなのかもしれませんね。

＜執筆＞green writer 植村芳菜

＜その他の関連URL＞
アポカリプティカのオフィシャルサイト
http://www.apocalyptica.com/

グリーンピース・インターナショナルのサイト内の「Rock in Rio」
http://www.greenpeace.org/international/campaigns/climate-change/rock-in-rio#1

グリーンピース・インターナショナルのサイト内の「Join the Energy Revolution!」
http://www.greenpeace.org/international/getinvolved/energyrevolsignup