この番組は、英国内の小学校を対象にしたGreen School Awardsの様子を収録したドキュメンタリーです。Green School Awardsは7歳から11歳を対象にした環境教育の試みをサポートする目的で2007年から始まったコンテストです。地域ごとにエントリーし、各地域で一番になった学校が、最後の優勝者の選考および発表会に招かれます。番組ではこの発表会の様子を紹介しています。

HPでGreen School Awardsに出場する学校の取り組みを読むと、各学校が身近な生活と環境問題をつなげる試みをおこなっており、そのレベルの高さ、多様さに驚きます。例えば自分たちの食べものがどこから来ているかを徹底的に調べ、その結果クルマエビの（ルージュ）箱は、6300マイルも旅をしてここに辿り着いたことを突き止めたターナーズヒル小学校の生徒の取り組みは、フードマイルを自分たちで調査した好例です。他にも環境に関するアニメを作った学校、歌を作り地元のミュージシャンの協力を得てビデオに収録した学校、第二次世界大戦当時の畑の様子を再現した学校、校長先生の依頼にこたえて午後の紅茶が楽しめるエコな小屋を作った学校など、面白い試みがたくさんありました。優勝したスコットランドのベンコリー小学校は地元のスーパーマーケットを訪れて１時間でどれくらいビニール袋が使われるのかを調べ、そこから計算して、たった１つの店舗でも年間100万枚以上のビニール袋が使われていることを明らかにしています。しかも参加した生徒のほとんどが7、8歳だったそうで、優勝スピーチをした先生は「生徒の創造性はすごい。みんなに感謝したい」と述べています。

コンテストの後の子どもたちへのインタビューで得た生の声もとても印象的です。「大切なものを守らなきゃいけないと思いました」「1940代のような天候を取り戻さねばいけないと思う」「世界がより良い場所であるために、僕らは地球を大事にしなきゃいけないんだ」など地球の未来にとって心強い言葉が続きます。未来を担う子どもたちが環境意識を持つことは、とても重要です。それを自然体で実践している子どもの様子を見て、元気になれる番組です。ぜひ見てみてください。

【執筆】阿久津　美穂(Slow Media Works)http://www.slowmediaworks.net

＜関連webサイト＞
● Green School Awards について（英語）
Green School Awardsの概要、募集要項、今までの優勝者が紹介されています。
http://tgsa.ypte.org.uk/