オゾン層回復へのアクション

オゾン層は、太陽から放射される紫外線を吸収する役割を担う、地球に不可欠なもの。しかし、20世紀に入って、フロンなどの化学物質が大量に排出された結果、オゾン層が徐々に破壊されてきました。この現象は、南極付近で撮影された衛星写真でも確認されています。オゾンホールと呼ばれる、大きな穴が出現し、大気中で何か奇妙なことが起こっていることを、示しました。

この現象の要因を解明すべく、多くの科学者が様々な研究を実施。1980年代以降、オゾン層の破壊を食い止め、これを回復することは、地球規模で取り組むべき課題として広く認識されるようになりました。1987年には、科学者のみならず、各国政府、産業界、技術者などのグループが集結して、オゾン層を破壊するおそれのある物質を特定し、その生産、消費、貿易を規制する「モントリオール議定書」を採択。日本を含め、多くの国連加盟国が締約し、この問題に取り組んでいます。

各国の努力によって、オゾンホールは徐々に縮小し、オゾン層が回復の兆しをみせています。とはいえ、この問題は、すべてクリアになったわけではありません。これからも、科学的な研究や検証を重ね、その経過を見守るとともに、政治・経済・社会が一体となって、オゾン層の回復へのアクションを継続していく必要があるでしょう。

執筆:松岡由希子

[関連サイト]

国際環境計画(UNEP)のオゾン層保護活動「OzonAction」公式ウェブサイト(英語)

国際環境計画(UNEP)によるオゾン層保護プロジェクト「OzonAction」の取り組みや、オゾン層保護にまつわる各国の動向などが紹介されています。

http://unep.org/ozonaction/