自然の力を見直そう~最も有効な温暖化対策
- Resisted date2010.03.05 |
- Movie Time5:18 |
温暖化対策について、国際社会では様々な議論がされています。今回の番組は、その最新事情を知ることができる番組です。
制作したのは国家、政府機関、非政府機関で構成された国際的な自然保護機関IUCN(国際自然保護連合)。1948年に設立された大きな機関で、自然保護の取り組みに加え、世界の絶滅のおそれのある生物種のリストであるレッドリストの作成などを通じた生物種の保護などをおこなっており、全世界にスタッフが1000人います。
今回の番組は、2009年12月にコペンハーゲンでおこなわれたCOP15(気候変動枠組条約第15回締約国会議)を見据え、温暖化対策として今すぐ実施していかなければならない2つのポイントを紹介しています。
1つはREDD(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減)の実施。これは途上国における森林の破壊や劣化を避けることにより、温室効果ガス(二酸化炭素)の排出を削減しようとすることです。背景は、途上国では森林の過剰伐採や農地開発などにより、森林が減少していること。これを食い止めることが有効な温暖化対策になるとして、2005年の気候変動枠組条約の締約国会議でパプア・ニューギニアとコスタリカがREDDを提案しました。具体的な内容は、森を守る途上国に対して経済的な補償を与える制度です。ただ、森に経済的な価値を与えることでその土地の先住民族の権利が迫害されるなどの心配もあるので、そうした問題との兼ね合いも考え、今も、よりよい内容にするための議論が続けられています。
もう1つは、現在の温暖化による変化に適応するには、生態系が手助けになると認めることです。特に、温暖化に対して最も弱い立場で、悪影響を受けてしまう途上国の貧しい地域や人々が、生態系を活かしながら温暖化に適応する策を進めていくべきだと番組では提言しています。
番組の最後では、まとめとしてIUCN温暖化コーディネーターが、考えるべきポイントを話しています。世界規模での温暖化対策についてより深く考えるきっかけになるので、ぜひ見てみてください。
執筆:阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net
[関連サイト]
● IUCN REDD(英語)
今回紹介している、IUCNのREDDに関する項目です。
http://www.iucn.org/knowledge/news/focus/2009_redd/debate/
● IUCN日本委員会
IUCN日本委員会のサイトです。IUCNの団体について詳しく知りたい方は読んでみてください。
http://www.iucn.jp/index.html
● REDDについての解説
国際環境NGOのFoE JapanのREDDに関する解説です。背景や、現在の議論の内容などを詳しく知りたい方は読んでみてください。
http://www.foejapan.org/forest/sink/redd_01.html