失われる東南アジア最大の泥炭湿地林
- Resisted date2010.02.19 |
- Movie Time6:54 |
「泥炭湿地林」という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、実はこの泥炭湿地林は地球温暖化と深く関係しているのです。今回の映像では、インドネシアの泥炭湿地林の現状と私たちの生活との関係について、インタビューを交えながらご紹介します。
まずは、インドネシアのウェットランドインターナショナルで活動をされているニョマン氏にインドネシアの泥炭湿地林の現状を伺いました。泥炭湿地林は、主に有機物・水・木で構成されており、インドネシアでは、数千年前に形成された泥炭湿地林が2100万ヘクタールも広がっており、熱帯の国の中では最大規模になります。しかし、この泥炭湿地林の喪失により、インドネシアは2006年に世界第3位の二酸化炭素排出国となってしまいました。これは、1995年以降の泥炭湿地林の開拓・産業のための土地転換などにより、それまで貯め込まれていた二酸化炭素が大量に排出されたことが要因となっています。
こうした背景のもと、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は、ファッションブランドに使用する紙のFSC森林認証への切り替えを呼び掛けています。今回、実際に活動に携わっているラフカディオ氏にお話を伺いました。多くのファッション業界が、紙袋や包装紙に使う紙をインドネシアの森から集め、森林破壊の要因となっていますが、ほとんどの会社がこうした事実を認識しておらず、RANはファッション業界の企業と連携した活動を始めました。
日本でも、こうした取り組みを推進している企業があります。原材料を輸入し市場に供給する立場にある「オフィス・デポ・ジャパン」から稲辺氏にお話を伺いました。オフィス・デポは2004年から紙の輸入に関するポリシーを制定し、森林管理や森林認証に対し紙の供給元の会社が真摯に取り組んでいるのかを選定し、それらを消費者にも分かりやすく伝える努力をしています。
日本の紙消費量は、世界平均の4.5倍!我々は気がつかないうちに、インドネシアの森林破壊に加担してしまっているかもしれないのです。まずは消費者の責任として、自分たちの使う紙がどこでどんなふうに作られたものなのかをしっかり認識し選定する必要があります。また、それ以前に自分のライフスタイルの中で、紙の使用量自体を見直すことも、地球全体の森林を保全していく一歩になるのではないでしょうか。
執筆:Green TV 大瀧
【関連URL】
●熱帯林行動ネットワーク(JATAN)」
→スタッフの方が撮影された現地の動画のご覧いただけます
http://jatan.org/
●FSC認証について
http://www.forsta.or.jp/fsc-japan/fsc_1.html